仕事の合間に休憩を入れると、生産性が上がるのはなんとなく理解している方も多いと思いますが、どれくらいの頻度で休憩を取るべきなのか疑問に思うところです。
一般的には、集中力が切れてしまったり、キリのいいところまで仕事が終わったら少し休憩を取るという人が多いと思いますが、実は生産性の高い人は、私達が考えるよりも多くの休憩時間を取っていることが明らかになっています。
この記事では、仕事のパフォーマンスが高い従業員の休憩の取り方などを参考に、 テレワーク中におけるベストな休憩の取り方についてご紹介します。
生産性の高い従業員は112分に26分の休憩をとっている
従業員の生産性を追跡するソフトウェア「DeksTime」の、2021年の利用データ[1]https://desktime.com/blog/52-17-updated-people-are-now-working-and-breaking-longer-than-before によると、もっとも生産性の高い従業員は、112分に26分間の休憩をとっていたことが明らかになりました。
2014年の利用データにおける、もっとも生産性の高い従業員の休憩時間は52分に17分だったことから、仕事時間と休憩時間がおよそ2倍に増加しています。
一見テレワークの普及とともにワークライフバランスが改善したように思えますが、実際にはその逆で、テレワークにおける休憩が休憩でなくなってしまっているのが現状のようです。
仕事と休憩時間が伸びた要因として、テレワークの普及に伴う下記の要因が指摘されています。
- オンライン会議の増加
- 家事と休憩の混在
オンライン会議の普及によって、PCの操作時間の増加に加えるのは当然といえるでしょう。
また、テレワークの経験がある人なら共感できると思いますが、休憩がてら家事をしてしまったり、思ったより多く休憩をとってしまった経験は身に覚えがある話ではないでしょうか?
私も休憩を兼ねて料理の下準備や、洗濯物を干したりと休憩と家事が混在してしまっているフシがあるので気をつけたいところです。
また、燃え尽き症候群の増加や心理療法士の需要増加も観測されていることから、オフィスで働く場合に比べると、休憩のとり方を含めて自分の働き方により注意を向ける必要がありそうです。
休憩のために作業時間が減っても生産性は上がる !
もっとも生産性の高い従業員が112分に26分の休憩をとっていることが判明しましたが、そんなに休んだら逆に仕事の進みが遅くなりそうだと思うかもしれません。
しかし、実際には休憩時間によって仕事時間が減るにもかかわらず、生産性は向上するようです。
66人の学生を対象にした研究[2]https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smi.2830によると、定量的な作業パフォーマンスの5%、定性的な作業パフォーマンスの8%の上昇と関連しています。 加えて、作業終了時の主観疲労の減少や学習・記憶の改善、問題解決の強化などの効果なども認められるなど、積極的に休憩をとらない理由はないのではないでしょうか?
この実験では、休憩のとり方についても調査しており、以下の点が明らかになっています。
- 運動による休憩直後から休憩後20分間の活力向上
- リラックス休憩後20分間の疲労感減少
運動のメリットはについては名著『脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方』などでも述べられているように、活力向上に加えて、注意力の向上や気分の改善、脳の成長促進効果も得られるので、納得の結果です。
まとめ
今回は生産性の高い従業員の休憩のとり方と、休憩によるメリットについてご紹介しました。
休憩が以下に重要であるかについておわかりいただけたと思いますが、気づくと休憩を取らずに仕事をし続けてしまうのが人の性です。
そんなときには、ポモドーロ・テクニックや、キッチンタイマーなどでなどで定期的に休憩を取り入れるのがオススメです。
ぜひ今回紹介した情報を生かして、日々の仕事に役立ててみてください。
テレワーク中の休憩で心がけること
- 仕事の休憩時間とプライベートはなるべく切り分ける
- 疲労感を感じたら、休憩中は瞑想や昼寝などリラックスする
- 仕事に集中したいときは、休憩中に散歩などの軽い運動をする
Reference
↑1 | https://desktime.com/blog/52-17-updated-people-are-now-working-and-breaking-longer-than-before |
---|---|
↑2 | https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smi.2830 |