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【保存版】無料Wiki 7選!比較で分かる社内・個人向けにおすすめのWiki

2022年8月1日

社内の知識共有のためのナレッジベースや、個人の作業ログの記録などに便利なのがWikiソフトウェアです。

有料のものから無料のものまで、数多くのWikiが公開されていおり、それぞれ特長や要件が異なるため、どれを選ぶべきか悩みどころです。

しかし、Wikiの構築や管理に多少手間はかかるものの、無料でも有料のWikiソフトウェアに負けず劣らず、十分な機能を持っているため、どうせならお金をかけずにWikiを運用したいところですよね。

そこでこの記事では、業務で社内Wikiを導入した経験をもとに、無料で使えるオープンソースのWikiソフトウェアに加えて、社内向け・個人向けそれぞれにオススメのWikiをご紹介します。

補足

今回紹介するWikiは、いずれもDockerを活用すれば、コマンドを数行実行するだけで、手元のPCで動作確認ができます。

各紹介ページに、手元の環境にWikiを構築するために必要なコマンドなどが記載されたサイトも記載しているため、いいなと思ったWikiがあれば、ぜひ試してみてください。

Dockerを利用するには、Docker Desktopが必要なため、インストールしていない場合はInstall Docker Desktop on Mac | Docker Documentationからインストールしてください。

無料で使えるWiki比較

DokuWiki

https://www.dokuwiki.org/ja:dokuwiki

要件:PHP

世界的で利用される、定番のWikiソフトウェアです。

欧米での人気が高く、開発も活発に行われているため安心して採用できます。

そのため、数多くの拡張機能やテンプレートも公開されており、カスタマイズも容易です。

とくに魅力的なのが、データベース(DB)が不要なため、導入しやすく、管理費用も低いことです。

その特性を生かして、インストールが不要のDokuWiki Stickも利用できるため、持ち運び可能なローカルWikiを構築することも可能です。

しかし、老舗のWikiソフトウェアのため、見た目は古臭さを感じます。

また、PHP製のWiki全般に言えることですが、拡張機能やCSSなどによるカスタマイズが前提となる上、独自の記法を使う必要があるため、初期設定や記述方法を学習するための時間が必要になります。

ローカルにDokuWikiを構築するにはBitnami Docker Image for DokuWikiを参考に、ターミナルで下記コマンドを実行します。

$ curl -sSL https://raw.githubusercontent.com/bitnami/bitnami-docker-dokuwiki/master/docker-compose.yml > docker-compose.yml
$ docker-compose up -d

http://localhost/にアクセスすると、DokuWikiにアクセスできます。

Doker for DesktopからでもURLに飛べます。

Docker for Desktop (Mac)の画面

下記でログインできます。

  • Username:user
  • Password:bitnami1

特徴

  • DBが不要なため、構築が容易で、管理コストが小さい
  • DokuWiki Stickを使えば持ち運びできるローカルWikiを構築可能
  • 開発や利用が活発(特に欧米)
  • 多彩な拡張機能やテンプレートによるカスタマイズ性の高さ
  • 世界中で利用される定番のWikiソフトウェア

イマイチな点

  • 拡張機能のインストールなどによるカスタマイズが必要
  • DokuWiki記法を使う必要がある
  • 見た目に古臭さを感じる

PukiWiki

https://pukiwiki.osdn.jp/

要件:PHP

2000年代に日本でよく使われていたWikiソフトウェアです。

日本製ということもあり、日本で多くの採用実績があり、エックスサーバーなどではPukiWikiの簡単インストールに対応するなど、国内サービスとの親和性も高いです。

DokuWiki同様、プラグインによるカスタマイズが可能で、データベースも不要ですが、流行りを過ぎて、現在では主に最新版PHPとの互換性を維持のための更新にとどまります

ローカルで確認するには、pengo/pukiwiki - Docker Image | Docker Hubを参照してください。

特徴

  • DBが不要なため、構築が容易で、管理コストが小さい
  • プラグインによるカスタマイズが可能
  • 日本での採用実績が豊富
  • 日本のサービスとの親和性が高い

イマイチな点

  • 拡張機能のインストールなどによるカスタマイズが必要
  • PukiWiki記法を使用する必要がある
  • 見た目に古臭ささを感じる
  • 更新は主にPHPとの互換性の維持にとどまる

MediaWiki

MediaWikiのトップページ

https://www.mediawiki.org/wiki/MediaWiki

要件:PHP+MySQL/MariaDB/PostgreSQL/SQLite3

WikipediaでおなじみのWikiソフトウェアです。

一日に何百万のアクセスのある大規模ウェブサイト作成を前提としており、スケーラブルで高機能なのが強みです。

WikiのマーケットシェアNO.1を誇る人気のWikiですが、オープンコンテンツ向けのため、非公開にしたい場合には向いていません。

PHP製ですが、そこまでUIに古臭さは感じず、意外と使いやすい印象です。

ローカルで確認するには、GitHub - bitnami/bitnami-docker-mediawiki: Bitnami Docker Image for MediaWikiを参照してください。

ログインは下記で行います。

  • Username:user
  • Password:bitnami123

特徴

  • 大規模ウェブサイト向け
  • スケーラブル(拡張可能)
  • WikiソフトウェアのマーケットシェアNo.1
  • プラグインによるカスタマイズが可能
  • PHP製ながらも意外と使いやすい

イマイチな点

  • オープンコンテンツ向けのため、非公開にする場合には向かない
  • MediaWikiの記法を使う必要がある
  • 見た目は少し味気ない

Crowi

Crowiのトップページ

https://site.crowi.wiki/

要件:Node.js (JavaScript)+MongoDB

シンプルなUIながらも、完成度の高いWiki。

PHP製以外のWiki全般に言えることですが、拡張機能などによるカスタマイズが不要で、初期設定の手間もあまりいらないため、構築するだけで使えるのがうれしいところです。標準でMarkdownにも標準で対応しているため、独自記法を覚える必要もありません。ただし、レンタルサーバーは使えず、代わりにVPSやクラウドサービスを使う必要があることに注意です。

いいね!コメントや、MarkdownのリアルタイムプレビューなどWikiとしての基本的な機能はもちろん、ページの共有やSlackへの通知など、かゆいところにも手が届く優秀っぷり。

作成したページをプレゼンテーション表示にもできるため、会議や打ち合わせの際の資料作りも便利です。

とくに、日・月・年ごとにページ内容を一覧表示するなど、階層以下のページを一覧にできるタイムライン機能が秀逸です。ページの作成手順もカンタンなため、頻繁にページを作成して、後で書いた内容も振り返られる日誌用途などにも向いています。

Crowiのタイムライン表示

しかし、2019年7月から新規リリースはされておらず、更新は滞っているようです。

ローカルで試すにはbakudankun/crowi - Docker Image | Docker Hubを参考に、docker-compose.ymlファイルを作成してdocker-compose upを実行します。

特徴

  • Markdown&リアルタイムプレビュー対応
  • シンプルで使いやすい
  • タイムライン表示で階層以下のページ内容を一覧できる
  • 日誌用途に向く
  • プレゼンテーション表示ができる
  • Slack連携可能

イマイチな点

  • 更新が滞っている
  • レンタルサーバーが使えない

Growi

https://growi.org/ja/

要件:Node.js (JavaScript)+MongoDB

Crowiに様々な便利機能を追加し、使いやすさも向上させたWiki。

より直感的で使いやすいUIになっており、私が触ってみた感じでは最も使いやすいWikiでした。

日本語ドキュメントも充実しており、更新頻度も高く、申し分がなく、Crowiの完全上位互換といえます。

Crowiから加わった主な機能は以下の通りです。

  • プラグイン機能
  • ページテンプレート機能
  • Markdownによるコメント機能
  • 同時複数人編集
  • LDAP/OAuth/SAML対応
  • draw.io対応


Crowiから加わった機能の詳細については作者のQiita記事が参考になります。

Dockerでローカルに構築するには、公式ドキュメントを参照してください。

特徴

  • Markdown&リアルタイムプレビュー対応
  • 機能・使いやすさともにCrowiの上位版
  • リリース頻度が高い
  • マニュアルが充実している
  • Slack連携可能
  • タイムライン表示で階層以下のページ内容を一覧できる
  • draw.io利用可能
  • クラウドサービスあり(有償)

イマイチな点

  • レンタルサーバーは使えない

knowledge

knowledgeトップページ

https://information-knowledge.support-project.org/ja/

要件:Java +PostgreSQL

ブログ風の希少なJava製Wikiです。

見た目に加え、記事一覧や人気記事、ストック記事一覧を表示できるなど、どちらかというとWikiよりもブログに近い印象です。

一般的なWikiとしての機能に加え、イベントの登録や、アンケート機能など、グループウェアのような機能があるのが特徴です。

日本語のマニュアルも充実しており、使いやすいものの、Markdownのリアルタイムプレビューができず、ページが増えると目的のページにたどり着きにくくなりそうなのが難点です。更新も2018年で完全に止まってしまっています。

特徴

  • Markdown対応
  • ブログのような機能と見た目
  • 希少なJava製
  • ワンクリックでHerokuに構築可能
  • マニュアルが充実している

イマイチな点

  • Markdownのリアルタイムプレビューできない
  • 2018年で更新が止まっている
  • Java製のため、レンタルサーバーの選択肢が限られる

Dockerでローカルに構築するには、GitHub - support-project/docker-knowledge: Docker file for knowledgeを参照してください。

  • Username:admin
  • Password:admin123

wiki.js

wiki.jsトップページ

https://js.wiki/

要件:Node.js+PostgreSQL

※ バージョン2.xではMySQL/MariaDB/MS SQL Server/SQLiteも利用可能だが、3.xで廃止予定。

今回紹介する無料Wikiの中では最も高機能のWikiソフトウェアです。

対応する外部サービスが非常に多く、Markdown以外にもWYSIWYGやリッチテキストエディターに対応しており、詳細かつ柔軟なアクセス権限など、無料とは思えない高機能っぷりです。

ストレージ認証アナリティクス
GitHubAzure ADGoogle Analytics
AWS S3Auth0Azure Application Insights
Aure BlobGoogleBaidu Tomgji
Local File SystemSlack
wiki.jsが対応する外部サービス例

バージョン3.xでは、DropboxやGoogle Drive、OneDriveがストレージとして利用可能になるなど、さらに対応サービスが加わる予定です。

しかし、全体的に使い方が少しわかりづらく、ページ構造がフラットなこともあり、ページ作成手順は煩雑なのが玉に瑕。

wiki.jsのページ構造

特徴

  • 無料Wikiの中ではトップクラスの高機能
  • 豊富な外部サービスと連携可能
  • Markdown&リアルタイムプレビュー対応
  • ワンクリックでHerokuに構築可能
  • リッチエディター/WYSIGエディター対応
  • 柔軟な権限設定が可能
  • draw.io対応

イマイチな点

  • ページ作成の手順が煩雑
  • ページ階層がフラットなので慣れが必要
  • 権限の設定など、全体的に使い方が少しわかりにくい

Dockerでローカルに構築するには、Docker | Wiki.jsを参照してください。

オススメのWiki

個人用WikiにはDokuWikiがオススメ

今後も長期的にメンテナンスが見込める上、構築や管理の手間がかからず、費用も極力抑えられるDokuWikiがオススメです。

レンタルサーバーで運用でき、ローカルWikiとしても使えるなど、手軽に運用できることから個人用にピッタリのWikiといえます。

使いやすさという点では、Growiもオススメしたいところですが、要件の都合上、レンタルサーバーは使えず、VPSやクラウドサーバーなどを利用する必要があります。

そのため、管理の手間や費用もかかることから個人用にはオススメできません。

社内WikiにはGrowiがオススメ

今回紹介した中では最も使いやすく、マニュアルもメンテナンスもしっかりしているGrowiがオススメです。

多人数で使うため、誰しもなじみのある見た目であり、使いやすいことは、社内Wikiとして使う以上必須です。

また、社外秘の流出を防ぐためにも、定期的にメンテナンスされていることも重要です。

ページ数が多くなっても、サイドバーなどを活用すれば目的のページにたどり着きやすく、業務日誌にも向いており、社内Wikiとしてはピッタリです。


社内Wikiとして運用する際は、無料のサーバーでは容量や安定性などが不十分なため、有料のサーバーが必要です。その中でも、社内Wikiに向いているのがさくらインターネットです。

さくらインターネットは、法人向けながら、良心的な価格なため、コストを抑えつつ安心してWikiを運用できます。

サーバーはすべて国内のデータセンターに収容。専門の技術者が24時間365日サーバー状況を監視しているため、安全かつ安定した運用ができます。

また、他の会社にない魅力の1つとして、インストールや各種設定を自動で行えるスタートアップスクリプトを提供しています。

VPSはレンタルサーバーに比べると、管理する領域が多いのがデメリットといえます。

しかし、スタートアップスクリプトを使えば、インストールや各種設定をすることなく、Wikiをサーバーに構築できるため、導入の手間を抑えられるため、Wikiとの相性が良いのも魅力的です。

レンタルサーバーに比べると多少料金が高めではあるものの、2週間無料で試すことが可能なので、まずは試験的にWikiを運用してみるのがオススメです。

無料Wikiの比較とまとめ

この記事では、無料で使えるWikiのそれぞれの特徴とオススメのWikiを紹介しましたが、私が実際使ってみた印象ではGrowiが最も使いやすかったです

どのWikiを採用すべきか悩みどころですが、別のWikiに移行する苦労を身にしみて感じているので、Dockerや、サーバーの無料期間なども活用して、しっかり吟味した上で選ぶことをオススメします。